内科

MEDICAL

一般内科

GENERAL INTERNAL MEDICINE

内科は、かぜや発熱などの急な症状から、高血圧・糖尿病などの慢性疾患まで幅広く診る診療科です。どの科を受診したらよいか迷う症状も、まずはご相談ください。

どのような症状をみるか

発熱、のどの痛み、咳、鼻水、だるさ、頭痛、めまい、動悸、息切れ、腹痛、吐き気、下痢、便秘、胸やけ、むくみ、血圧異常、健診異常(血糖・脂質・肝機能など)に対応します。

どのような疾患をみるか

かぜ症候群、インフルエンザ、COVID-19、胃腸炎などの急性疾患、高血圧症・糖尿病・脂質異常症・高尿酸血症などの生活習慣病、慢性腎不全、喘息、逆流性食道炎、便秘症、肝機能異常、貧血、甲状腺疾患、めまい症、片頭痛 などを診療します。
必要に応じて検査を行い、専門的な検査・治療が必要な場合は適切な医療機関をご紹介します。

糖尿病
当院では、糖尿病の早期発見と継続的な治療を行っています。糖尿病は、血糖が高い状態が続くことで、目・腎臓・神経の合併症や、脳梗塞・心筋梗塞などの動脈硬化性疾患のリスクを高める病気です。
治療の基本は、食事療法と運動療法です。ガイドラインでも、食事療法は1型・2型糖尿病の血糖管理に推奨され、2型糖尿病では有酸素運動や筋力トレーニング(レジスタンス運動)が推奨されています。これらで目標に届かない場合は、病状に応じて内服薬や注射薬(必要時はインスリン)を組み合わせます。著しい高血糖などでは、初期から薬物療法を開始することもあります。
血糖コントロール目標(成人・妊娠例を除く)の基本はHbA1c 7.0%未満ですが、低血糖なく安全に達成できる場合は6.0%未満、治療強化が難しい場合は8.0%未満を目安にするなど、無理のない目標設定を大切にします。

糖尿病の方の死因は悪性腫瘍が約40%と第1位で肝臓癌、膵癌が、肺癌と並んで上位に入っています。糖尿病の方では、脂肪肝炎から肝硬変を経て肝癌が発生する危険があり、肝機能異常や脂肪肝を放置しないことが大切です。また糖尿病は膵がんのリスク因子のひとつとされています。急に糖尿病が発症したり、これまで安定していた血糖が急に悪化したりした場合、膵癌が隠れている可能性があり、特に体重減少、食欲低下、黄疸、背部痛等がある方は早めにご相談ください。

高血圧
日本高血圧学会より「高血圧管理・治療ガイドライン2025」が発刊されています。
高血圧の診断の目安は、これまでどおり診察室血圧 140/90mmHg以上です。いっぽうで治療では、よりよい予防のために診察室血圧 130/80mmHg未満(家庭血圧は125/75mmHg未満)を基本目標として管理していく考え方が示されています。ただし、年齢、体力、合併症、副作用の出やすさなどをみながら、無理のない範囲で個別に調整します。
当院では、診察室の血圧だけでなく、家庭血圧(朝・晩)の記録を重視して診療します。日本高血圧学会でも家庭血圧測定を推奨しており、上腕式血圧計での測定、朝・晩の測定、複数回測って平均をみることが勧められています。

特に、早朝の家庭血圧は循環器疾患の発症リスクと強い関連があり、日本高血圧学会も2025年より「早朝高血圧徹底制圧宣言」を発表し、社会全体での早朝高血圧の予防と改善に向けた新たな取り組みを開始しています。

治療は、生活習慣の改善(減塩・運動・体重管理・節酒など)を基本に、必要に応じてお薬を組み合わせて行います。日本高血圧学会の提言でも、減塩(高血圧の方は食塩6g/日未満)や生活習慣改善の重要性が強調されており、目標達成のために複数のお薬が必要になることもあります。
脂質異常症(高脂血症)
脂質異常症は、血液中のLDLコレステロール(いわゆる悪玉)、HDLコレステロール(善玉)、中性脂肪(TG)などのバランスがくずれた状態で、心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性疾患の重要な原因になります。
診断の目安としては、LDLコレステロール140mg/dL以上、HDLコレステロール40mg/dL未満、中性脂肪150mg/dL以上(空腹時)または175mg/dL以上(随時)、non-HDLコレステロール(トータルコレステロール値-HDLコレステロール値)170mg/dL以上などがあります。
当院では、まず生活習慣(食事、運動、体重管理、禁煙、節酒)の見直しを大切にし、必要に応じてお薬(主にスタチンなど)を用いて治療を行います。既往症がある方では、病気の種類や合併症に応じて、より厳格な脂質管理目標を設定することがあります。下図は、日本動脈硬化学会ガイドラインをもとに、代表的な目標値を分かりやすくまとめたものです。
  • 低リスク:
  • 比較的若年で、喫煙がなく、血圧・脂質・糖代謝のリスク因子が少ない方。
  • 中リスク:
  • 年齢やや高く、喫煙、血圧高め、脂質異常、境界型糖尿病など
  • 高リスク:
  • 糖尿病・慢性腎不全・末梢動脈疾患がある場合

ACS=急性冠症候群(Acute Coronary Syndrome)、FH=家族性高コレステロール血症(Familial Hypercholesterolemia)。
二次予防の「より高リスク」の例:ACS、FH、糖尿病、冠動脈疾患+アテローム血栓性脳梗塞(明らかなアテロームを伴うその他の脳梗塞を含む)の合併。

慢性腎臓病(CKD)
慢性腎臓病(CKD)は、腎機能の低下(eGFR低下)や尿の異常(特にアルブミン尿・蛋白尿など)が3か月以上続く状態を指します。初期は自覚症状が乏しいことが多く、健診や血液検査・尿検査で見つかることが少なくありません。CKDは原因(Cause)・腎機能(GFR)・アルブミン尿orタンパク尿の組み合わせ(CGA分類:図)で評価し、進行や心血管病のリスクを見ながら診療することが重視されています。
尿検査(尿蛋白・尿アルブミン)と血液検査(クレアチニン・eGFR)を基本に、必要に応じて腎エコーやCTにて原因検索を行い、経過を確認します。
治療の中心は、血圧管理・糖尿病管理・減塩・体重管理・禁煙などの生活習慣の改善と、必要に応じた薬物療法です。CKDの進行予防のために包括的な治療戦略が示され、減塩(食塩として1日5g未満相当)や、タンパク尿・アルブミン尿を伴うCKDでのACE阻害薬/ARB、適応のある方でのSGLT2阻害薬などが重要とされています。
日本腎臓学会でも、かかりつけ医向けの実践的な「CKD診療ガイド2024」が刊行されており、早期発見・透析予防・心血管病予防につながるポイントが整理されています。当院では最新のガイドラインを踏まえ、必要時は腎臓専門医と連携しながら診療を行います。むくみ、尿の泡立ち、血圧高値、糖尿病・高血圧のある方は、お気軽にご相談ください。
感染症
頻度が多い感染症の診療について(Covid19・インフルエンザ・マイコプラズマ・溶連菌・百日咳 など)
発熱、のどの痛み、せき、鼻水、だるさなどの症状は、新型コロナウイルス感染症、インフルエンザ、マイコプラズマ感染症、溶連菌感染症(A群溶血性レンサ球菌咽頭炎)、百日咳など、さまざまな感染症でみられます。症状だけで見分けるのが難しいことも多いため、診察所見(のどの所見、咳の性状、発熱日数、周囲の流行状況など)を確認し、迅速検査やレントゲンを行って、治療方針を決めています。当院では、これらの感染症について迅速検査を行っており、結果はおおむね15分程度で確認可能です(※症状の経過や検査の種類により、追加検査が必要となる場合があります)。
ここ1~2年の動向としては、インフルエンザと新型コロナは、季節や時期によって流行の波を繰り返す状況が続いています。マイコプラズマ感染症や百日咳は、流行が目立つ時期があり、長引く咳の原因として注意が必要です。溶連菌感染症は学童期を中心にみられ、家庭や学校などで広がることがあります。このため、症状だけで判断せず、流行状況もふまえて診療することが大切です。
治療は原因に応じて行います。インフルエンザや新型コロナでは、発症時期や重症化リスクをふまえて治療薬の適応を判断し、マイコプラズマ、百日咳 、溶連菌は診断がつけば抗菌薬治療が有効です。

当院では東邦大学医療センター佐倉病院と連携体制を構築し、連携病院感染防止対策カンファレンス等に参加し、地域の感染対策について情報共有を行っています。

貧血
貧血は、血液中のヘモグロビンが低下した状態で、だるさ、息切れ、動悸、めまいなどの原因になります。健診で偶然見つかることも多く、症状が軽くても原因を確認することが大切です。
当院では、まず血算(ヘモグロビン、MCV などの赤血球指数)を確認し、必要に応じてフェリチン(貯蔵鉄)、血清鉄などを組み合わせて評価します。鉄欠乏性貧血の診断では、貧血の有無だけでなく、体内の鉄の状態をあわせて確認することが重要です。
また、貧血は「鉄不足」だけが原因とは限りません。鉄欠乏性貧血とよく鑑別が必要なのが、慢性疾患に伴う貧血(慢性炎症に伴う貧血)です。関節リウマチ、炎症性腸疾患、慢性感染症、心不全、慢性腎不全、がんなどに伴ってみられることがあり、見た目の検査所見が鉄欠乏性貧血と似る場合があります。さらに、ビタミンB12欠乏や葉酸欠乏による大球性貧血などもあり、赤血球指数(MCV)や追加検査をもとに原因を見分けていきます。
鉄欠乏性貧血が疑われる場合には、「なぜ鉄が不足したのか」を調べることが大切です。原因としては、月経(過多月経を含む)による出血のほか、男性や閉経後女性では消化管出血(胃・大腸の病気など)を確認する必要があります。当院では、必要に応じて便潜血検査や内視鏡検査、婦人科受診のご案内を行います。治療は、まず内服の鉄剤を投与します。治療後も再発予防のため、必要に応じて血液検査で経過を確認します。
甲状腺機能異常
甲状腺の病気は、動悸、体重減少、手のふるえ、汗が多いといった「甲状腺機能亢進」の症状から、だるさ、寒がり、むくみ、便秘、体重増加などの「甲状腺機能低下」の症状まで、さまざまな形で現れます。日本甲状腺学会の「甲状腺疾患診断ガイドライン2024」では、バセドウ病、甲状腺機能低下症、無痛性甲状腺炎、慢性甲状腺炎(橋本病)、亜急性甲状腺炎の診断基準が整理されています。
症状や首のはれ・痛みの有無を確認したうえで、まず血液検査によりTSH(甲状腺刺激ホルモン)、FT4、FT3(甲状腺ホルモン)を測定し、必要に応じて自己抗体(TRAb、TPOAb、TgAb)や炎症反応(CRP など)を追加して、原因を見分けます。たとえば、バセドウ病では甲状腺中毒症状に加えてTSH低値、FT4/FT3高値、TRAb陽性が診断の手がかりとなります。橋本病はTSH高値、FT4/FT3低値、TPOAb、TgAb等が陽性となる、原発性甲状腺機能低下症の代表的な疾患です。
また、甲状腺のしこり(結節)や腫れがある場合には、超音波検査やCTで大きさや性状を評価し、必要に応じ専門施設へ紹介します。
甲状腺の病気は、早めに診断することで症状の改善や合併症予防につながることが多い分野です。健診で甲状腺の異常を指摘された方、動悸やだるさ、首の違和感・腫れが気になる方は、お気軽にご相談ください。

消化器内科

GASTROENTEROLOGY

消化器内科は、食道・胃・腸などの消化管と、肝臓・胆のう・膵臓などの臓器の不調を幅広く診る診療科です。腹痛や下痢、胃もたれなど身近な症状から、健診での肝機能異常、胆石、膵臓の病気まで、原因を見極めて適切な検査と治療につなげます。「なんとなくお腹の調子が悪い」「原因がはっきりしない」ときもご相談ください。

消化器内科でよくみる症状

腹痛・胃痛、胸やけ、吐き気、食欲不振、胃もたれ、腹部の張り、便秘・下痢、血便・、体重減少、貧血、黄疸(皮膚や白目が黄色い)、健診での異常(肝機能異常など)。

消化器内科で扱う主な疾患

脂肪肝、ウイルス性肝炎、胆石症、膵炎、膵のう胞、逆流性食道炎、胃炎・胃潰瘍、ピロリ菌感染、感染性腸炎、過敏性腸症候群、便秘症、憩室炎、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)、大腸ポリープ/大腸がん(疑いを含む)、など。

※なお当院では内視鏡検査を実施していないため、精密検査が必要な場合は連携医療機関へ速やかにご紹介します。

肝疾患(ウイルス性肝炎・自己免疫性肝炎・原発性胆汁性胆管炎)
肝臓
肝炎は、原因(ウイルス感染/免疫の異常など)によって治療が大きく異なります。採血(肝機能、ウイルスマーカー、自己抗体など)と腹部エコーを中心に評価し、必要に応じて肝線維化(肝硬変の進行度)も確認しながら、適切な治療と経過観察を行います。自己免疫性肝疾患では他の膠原病(リウマチ、シェーグレン症候群など)を合併することがあり注意が必要です。
ウイルス性肝炎(主にB型・C型)
B型肝炎は、核酸アナログ製剤などでウイルス増殖を抑え、肝炎の鎮静化と肝硬変・肝がんリスク低下を目指します。C型肝炎は、飲み薬で高い確率でウイルス排除が期待できます。治療後も、線維化が進んでいる方は肝がんの定期フォローが重要です。
自己免疫性肝炎
自己免疫性肝炎は免疫の異常で肝臓に炎症が起こる病気で、血液検査では抗核抗体やIgGが上昇します。治療の基本は副腎皮質ステロイド(プレドニゾロン等)です。効果を見ながら減量し、再燃予防のため長期管理を行います。
原発性胆汁性胆管炎(PBC:旧称「原発性胆汁性肝硬変」)
PBCは胆汁うっ滞をきたす自己免疫性疾患で、胆道系酵素(ALP、γGTP)上昇や抗ミトコンドリア抗体などを参考に、画像検査で胆道閉塞などを除外して診断します。飲酒歴がなく肥満もなく、脂肪肝をみとめないのにγGTPが高い場合、この疾患が隠れている可能性があります。治療の第一選択はウルソデオキシコール酸で、反応が不十分な場合はベザフィブラート追加などを検討します。皮膚のかゆみ、骨粗鬆症などの合併症にも注意し、病期に応じて採血・エコー等で経過観察を行います。
胆道疾患(胆石・胆嚢ポリープ・胆嚢腺筋症)
胆嚢
腹部エコー(超音波)等で偶然みつかることが多い病気です。症状の有無と画像所見から、経過観察か精密検査・治療が必要かを判断します。
胆石(胆嚢結石)
  • 無症状:
  • 原則として経過観察(予防的手術は通常行いません)。
  • 痛み(胆石発作)を繰り返す:
  • 腹腔鏡下胆嚢摘出術を検討します。
  • 発熱・黄疸・強い腹痛が続く:
  • 急性胆嚢炎/胆管炎などの可能性があり、早急な受診が必要です。
胆嚢ポリープ
多くは良性ですが、大きさと危険因子で方針が変わります。
  • 10mm以上:
  • 胆のう摘出術を推奨(または専門施設へ紹介)。
  • 6–9mm:
  • 危険因子があれば手術を検討/なければ6か月→1年→2年のエコーで経過観察が目安。
  • 5mm以下:
  • 危険因子がなければ原則フォロー不要。
  • 危険因子の例:
  • 60歳以上、原発性硬化性胆管炎(PSC)、広基性(くびれが少ない)、胆嚢壁肥厚(4mm超)、経過で増大など。
胆嚢腺筋症
胆嚢壁が厚くなる良性変化です。典型的な画像所見で無症状なら経過観察が基本ですが、症状がある場合や胆のうがんを否定しきれない場合は手術を検討します。
膵疾患(急性膵炎・慢性膵炎・自己免疫性膵炎)
膵臓
いずれも膵に炎症をきたす疾患ですが、特に急性膵炎は重症化すると死亡例もあり、初期対応が重要な疾患です。慢性膵炎は持続する腹痛や下痢を伴い、自己免疫性膵炎は腹痛よりも黄疸などをきたす疾患です。
急性膵炎(突然の強い腹痛、吐き気)
胆石や飲酒などが原因となることが多く、強いみぞおち〜背部痛が特徴です。
  • 診断:
  • 血液検査(膵酵素など)+腹部エコー/CTで評価します。
  • 治療:
  • 輸液・鎮痛などの内科的治療が基本です。
  • 胆石性:
  • 胆管炎を伴う場合は早期内視鏡治療が必要になります。
慢性膵炎(腹痛の反復、下痢・体重減少、糖尿病など)
炎症が続く/繰り返すことで膵臓が傷み、消化酵素やインスリン分泌が低下します。飲酒が原因のことが多いですが、女性では原因不明の場合もあります。
  • 生活:
  • 禁酒・禁煙、栄養評価(体重減少や脂肪便の有無)を行います。
  • 治療:
  • 症状に応じて鎮痛、膵消化酵素補充、糖尿病管理を行います。
  • 合併症:
  • 膵石や膵管狭窄などは内視鏡/外科治療を含め専門施設と連携します。
自己免疫性膵炎(黄疸、膵腫大。膵がんとの鑑別が重要)
免疫の仕組みが関与し、膵臓の腫大や膵癌とまぎらわしい腫瘤を形成する疾患です。高齢男性にやや多い傾向がありますが、若年発症もあります。
  • 検査:
  • CT/MRI、血液検査(IgG4など)を行います。
  • 治療:
  • ステロイド治療が有効なことが多く、再燃に注意し経過をみていきます。
消化管疾患(逆流性食道炎・胃十二指腸疾患・便秘症・過敏性腸症候群・その他)
胃 小腸 大腸
逆流性食道炎(GERD)
胸やけ・呑酸などに対し、生活指導と酸分泌抑制薬を症状に合わせて調整します。
胃・十二指腸疾患
NSAIDsやピロリ菌の関与を確認し、胃酸抑制薬を基本に、必要時は除菌・薬剤調整を行います。
便秘症
生活習慣の見直しに加え、便性状に合わせた治療薬を段階的に選択します。刺激性下剤は耐性や習慣性の危険があり必要最小限に使用し、直腸まで便が到達しているかをUS等で評価し治療法を選択します。二次性便秘が疑われる場合は原因検索を優先します。
過敏性腸症候群
危険な疾患を除外したうえで、食事(食物繊維や低FODMAP食の工夫)、薬物療法、ストレス対応を組み合わせます。
その他
腹痛をきたす頻度が多い疾患として、虫垂炎(胃痛→右下腹部痛)・憩室炎(徐々に悪化する限局した腹痛)・虚血性腸炎(突然の腹痛、血便)などがあり、いずれも採血、CTなどにて診断されることが多い疾患です。
大腸がん・膵がん・胃がん・肝臓がんについて
胃がん 大腸がん 肺臓がん 膵がん
厚労省「2024年 人口動態統計(確定数)」に基づく、がん死亡数の順位では、肺癌1位、大腸癌2位、膵癌3位、胃がん4位、肝臓がん5位となっています。
大腸がん
大腸がんは、早期の段階で見つかれば治癒が期待できます。症状がないことも多いため、まずは便潜血検査(2日法)で拾い上げ、陽性の場合は大腸内視鏡で精密検査を行います。血便、便通の変化、原因不明の貧血、体重減少などがある場合は早めの受診が大切です。
膵がん
膵がんは発見が難しく、2021年に約4.6万人が新たに診断され、2024年の死亡数は約4.1万人と「診断数に近い死亡数」が特徴です。5年相対生存率は約8.5%と報告され、早期発見が特に重要です。一般の方向けの確立した“検診”はありませんが、糖尿病の新規発症・悪化、家族歴、慢性膵炎、膵嚢胞・IPMN、喫煙などのリスクがある方では、状況に応じて腹部エコー、CT/MRI、超音波内視鏡(EUS)などでの評価が推奨されます。
胃がん
胃がんはピロリ菌感染の減少や除菌治療の普及などで全体としては減少傾向です。一方で、除菌後も胃がんリスクがゼロになるわけではなく、定期的な検診が大切です。胃がん検診は50歳から2年に1回、胃X線または胃内視鏡を選択して受けることが推奨されています。
■ 肝臓がん
近年は治療の進歩により、ウイルス性肝疾患がコントロールされる患者さんが増える一方、飲酒・肥満/糖尿病など代謝異常(MASLD/MASH)に関連した脂肪肝炎からの発がんにも注意が必要とされています。
脂肪肝(脂肪肝炎)について
① 脂肪肝(脂肪肝炎)とは?
脂肪肝は非常に頻度の高い病気で、肥満、糖尿病、高血圧、脂質異常症と深く関係しています。男性では若年層から、女性では閉経後から多くなってきます。画像で脂肪肝を認めさらに、肥満、糖尿病、高血圧、高脂血症などのいずれかの疾患に近い状態を合併していると、代謝異常関連脂肪性肝疾患と診断されます。これは2023年に新たに提唱された分類で、このうち炎症や線維化を伴い、肝硬変や肝癌へ進行する状態を脂肪肝炎と呼びます。本邦では健診受診者の30%に脂肪肝を認め、そのうち10-20%が線維化を伴う脂肪肝炎とされています。治療介入がない場合は5-10年で5-20%が肝硬変へ進展し、肝硬変からは年率0.1~0.2%肝癌が発生するといわれています。
脂肪肝(脂肪肝炎)
② 診断方法
診断では以下の項目を調べて「脂肪の有無」と「肝臓の傷み具合(炎症と線維化)」をみます。
  • ・問診
  • 飲酒量、体重変化、既往歴、内服薬
  • ・血液検査
  • AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、血小板、血糖、脂質など
  • ・腹部エコー検査
  • ・線維化評価:
  • FIB-4 index(採血)、エラストグラフィ(US)など

健康診断などでよく測定されるALT(GPT)の真の正常値は30以内と言われています。ALTが30を超える場合には、脂肪肝を含む肝疾患の可能性を考え、かかりつけ医で原因検索を行い、必要に応じて専門医につなげるよう肝臓学会より提唱されています(2023年奈良宣言)

③ 治療
【食事療法】

体重の5%減少で脂肪肝の改善、7〜10%減少で炎症や線維化の改善を目指します。甘い飲料、間食、揚げ物、夜食を控え、主食の量を調整し、たんぱく質と野菜をしっかり摂ることが大切です。

【運動療法】

週150分以上の有酸素運動(速歩など)と、週2回程度の筋力トレーニング(腕立て伏せ、スクワットなど)が推奨されます。実際は高齢の方も多く、有酸素運動と筋力トレーニングを無理のない負荷で組み合わせて,長期的に実施することが重要です。体重が大きく減らなくても、肝臓の脂肪が減ることがあります。

【薬物療法】

合併症に対する治療として,糖尿病治療薬,抗肥満薬,脂質代謝改善薬、降圧剤(ARB/ACE阻害剤)が肝臓の採血所見,画像所見,組織所見の改善につながるとする報告が複数発表されています。
近年GIP/GLP-1受容体作動薬チルゼパチド(マンジャロ®)による治療で脂肪肝炎の改善が10mg群、15mg群でそれぞれ56%、62%(vsプラセボ群10%)、肝線維化の改善も51%,51%(vsプラセボ群30%)と有意に高率と報告されており2型糖尿病合併の脂肪肝炎に有用と思われます。

④ 脂肪肝のよくある質問
脂肪肝は放置しても大丈夫?
ALTが30以上の場合は、肝臓内で炎症が持続している可能性があります。また血小板数が低下している方は線維化を伴って発癌のリスクが高い可能性があります。自覚症状がなくても進行するので、このような方は特に注意が必要です。
痩せているのに脂肪肝と言われましたが?
ご飯やめん類など糖質中心の食生活や菓子類などをよく食べる習慣のある人は、たとえ総エネルギー摂取量が過剰でなくても脂肪肝をひき起こすため、注意が必要です。食事は、おにぎりやめん類などの単品摂取、ご飯とめん類の組み合わせなど糖質の重複摂取、菓子類の習慣的な摂取などを避けましょう。BMIが25以下の肥満のない方では体重の3~5%の減量と、低めの目標でも良いとされています。
脂肪肝は治りますか?
多くの場合、減量や薬物治療により長期的に炎症や線維化が改善し、元の状態に戻ることが期待できます。
具体的にどんな食事が良いですか?
海外で脂肪肝に推奨される地中海食はオリーブオイル,ナッツ,全粒穀物,魚介類果物,野菜などの食品を含むバランスの取れた食事です。伝統的な日本食は地中海食に類似しており,日本食の摂取状況が高いほど肝線維化のリスクが低いことが報告されてい ます。青魚に多く含まれるDHAやEPAなどのn-3系多価不飽和脂肪酸は、脂肪肝を改善する作用があり、週2-3回程度はさば、さんま、いわしなどの青魚を摂取しましょう。
かるい飲酒はどうでしょうか?
脂肪肝で中等量以上の飲酒者(エタノール量:男性30~60g/日,女性20~50g/日)は代謝機能障害アルコール関連肝疾患に分類されます。これらの方は、ただの脂肪肝を上回る健康被害を生じることが明らかとなっています。例えば350mlビール1缶エタノール約15gとすると、毎日2缶以上飲む方は要注意です。
ビタミンEが良いと聞いたことがありますが?
有用とされていたビタミンE製剤は、線維化の改善する可能性はあるものの、長期的に出血性脳卒中などの合併症のリスクもあり、推奨できないと結論づけられています。
膵嚢胞(のうほう)・IPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍)について
1. 膵嚢胞・IPMNとは?
膵嚢胞性病変は、CTやMRIの普及により偶然見つかることが非常に増えています。2024年の検討では、一般人口における膵嚢胞の有病率は16%とされ、しかも多くは10 mm未満の小さな病変でした。年齢とともに増え、50代で約9%、60代で18%、70代で26%、80歳以上で38%と報告されています。
膵嚢胞の中でも、臨床で最もよく問題になるのがIPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍)です。その名の通り、膵管内に発生する、乳頭状(カリフラワーのような形)の、粘液を産生する腫瘍です。膵嚢胞の多くをIPMNが占め、「よくある膵嚢胞」として日常診療で遭遇しやすい疾患です。
IPMNは大きく、分枝(ぶんし)型、主膵管(しゅすいかん)型にわかれ、分枝型は主膵管とつながる5 mm超の嚢胞、主膵管型は他の閉塞原因がない主膵管5 mm超の拡張とされています。
悪性化率は型によって大きく異なります。手術例では悪性は分枝型で30%、主膵管型で60%とされ、主膵管型の方が明らかに高リスクです。一方で、実際には手術の必要がない、おとなしい分枝型IPMNが多数あるため、全体としての分枝型IPMNの実際の悪性化率はこれより低いです。
経過観察するなかで、「おとなしい分枝型IPMN」の癌への変化は、5年で約1-3%、10年で2-6%、15年で7-15%と示されており、多くは非常にゆっくり進行するものです。
2. 診断(どう見つけて、どう評価するか)
膵嚢胞・IPMNが疑われたときはまず血液検査を行い、腫瘍マーカー(CEA、CA19-9)、糖尿病の有無(HbA1c)も検査します。画像検査は、CT、MRIを行い、より詳しく癌を疑う所見を探すための追加検査として超音波内視鏡(EUS)を検討します。
診断では、「高リスク所見」と「警戒所見」の有無をみます(表1)
HRSは強く悪性を疑い手術を検討すべき所見で、WF(警戒所見)は精密検査、あるいは慎重な経過観察を行う必要がある所見です。

表1. 高リスク所見と警戒所見(京都ガイドライン2024)

高リスク所見
  • 膵頭部嚢胞に伴う閉塞性黄疸
  • 造影される結節 5 mm以上 / 充実成分
  • 主膵管径 10 mm以上
  • 細胞診で悪性疑い/陽性(実施時)
警戒所見
  • 急性膵炎の既往
  • CA19-9高値、新規糖尿病/糖尿病悪化
  • 嚢胞径 30 mm以上
  • 小さな結節(5 mm未満)や壁肥厚/造影
  • 主膵管 5-10 mm未満
  • 増大速度の上昇(例 2.5 mm/年以上)
3. 経過観察方法
2024年京都ガイドラインでは、分枝型IPMNについて、嚢胞サイズに応じた経過観察が推奨されています。まず初期に短期フォロー(6か月)を行い、20 mm未満:安定なら18か月ごとを目安、20-30 mm未満:安定なら12か月ごとを目安、30 mm以上:6か月ごとを目安(CT、MRI、EUSいずれも可)とされています。
いつまで経過観察しますか?
小さく(<20 mm)、5年安定、警戒所見なし、かつ手術適応が乏しい/余命を考慮する場合は中止を検討できます。ただし、若い方や家族歴・遺伝リスクがある方では、長期フォロー継続が妥当なことがあります。 また、経過観察するなかで注意しなければならないのは、「おとなしい分枝型IPMN」が癌へ変化しないかどうかを見ていくだけではありません。膵嚢胞・IPMNはいわゆる「たちの悪い通常型膵癌」のリスクファクターと言われ、嚢胞とは別の部位に通常型膵癌が発生する危険が、嚢胞の大きさにかかわらず年率0.5%~1%あるといわれています。ガイドラインではこの点が十分考慮されておらず、日本ではより慎重に経過観察をすべきとする意見もあります。

呼吸器内科

RESPIRATORY MEDICINE

呼吸器内科が専門とする病気は幅広く、一般的な風邪・インフルエンザ、肺炎などの感染症、気管支喘息・咳喘息、肺気腫・慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺炎、肺癌など多岐にわたります。それらによる症状は咳、痰のみならず、発熱、呼吸困難、胸痛、倦怠感などさまざまです。風邪と思っていてもなかなか治らない症状の背景に喘息や肺炎など病気が隠れていることがありますので、長引く症状がある時は呼吸器内科の受診をお勧めします。

どのような症状を見るか

  • 咳が止まらない、続いている
  • 咳で目が覚めることがある
  • 痰が絡む
  • 息が切れる
  • ゼイゼイすることがある
  • 風邪をひきやすい、治りにくい
  • レントゲンで異常を指摘された
  • タバコを吸っていた/吸っているので肺の病気が心配

どのような疾患を見るか

一般的な風邪やインフルエンザなどの感染症、気管支炎、肺炎、気管支喘息・咳喘息、肺気腫・慢性閉塞性肺疾患(COPD)、結核・非結核性抗酸菌症、間質性肺炎、肺癌などを専門に診療します。レントゲンに限らずCTや呼吸機能検査などを行い、専門的な検査・治療が必要な場合は適切な医療機関をご紹介します。

咳
風邪やインフルエンザなどの感染症が原因で咳が出たことを経験される方がほとんどと思われますが、一般的には多くは3週間以内には治ります。それ以上に遷延する咳の中には、感染後の咳のほかに、喘息(気管支喘息・咳喘息)、胃酸逆流による逆流性食道炎、副鼻腔炎に伴う副鼻腔気管支症候群、間質性肺炎、結核、癌など風邪ではない他の病気が原因のことがあります。咳が続いたり、喉の痛みや鼻水といった症状を伴わない咳が出るような時は受診をお勧めします。
喘息(気管支喘息・咳喘息)
喘息(気管支喘息・咳喘息)
空気の通り道である気道に慢性的な炎症が起きて、その刺激で咳や痰が出たり、気道の通り道が狭くなることでゼーゼー・ヒューヒューといった喘鳴が出たり、息が苦しくなる病気です。重篤な呼吸困難を起こし命に関わる発作を起こすこともあります。この炎症は典型的には波(変動性)があり、夜間や早朝、季節の変わり目や、天気が悪い時、台風などで気圧の変化が見られる時などに悪化することが知られています。風邪をひいた時や、体内のアレルギー反応を惹起するアレルゲン(ダニ、ハウスダストなど)を吸入した時、刺激の強いタバコの匂いや香水の匂いを吸った時などでも症状が悪化します。このような症状を繰り返すことで将来の呼吸機能が落ちてしまうことが知られており、未来の肺を守るためにも吸入薬を中心とした継続した治療が必要になります。
慢性閉塞性肺疾患(COPD、肺気腫)
慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは、タバコの煙などが原因で肺や気管支に慢性的な炎症が起きることで、空気の通り道が狭くなり息が吐きづらくなる病気の総称です。酸素を失った空気が肺に徐々にたまり、酸素が多く含まれる新鮮な空気を十分に吸い込むことができなくなった結果、咳・痰のみならず、特に坂道を歩いたり階段を上る時に悪化する息切れを生じます。 早期の禁煙が何よりも重要ですが、治療としては息切れの症状を緩和する吸入薬があります。またCOPDがあると肺がんのリスクも上昇することが知られているため、早期発見のためレントゲンやCTなどで定期的な経過観察が推奨されます。
非結核性抗酸菌症(マイコバクテリウム属による感染症、NTM、肺MAC症)
抗酸菌という菌が肺や気管支に感染し慢性的に気管支炎を起こす病気です。抗酸菌の代表的なものは結核菌・らい菌がありますが、それら以外のものを非結核性抗酸菌(NTM)と総称しています。非結核性抗酸菌は土の中や水辺に見られる環境菌で、何らかの形で鼻や口といった気道から体内に侵入し、知らないうちに感染が成立します。あまり知られていない病気ですが、日本を含めた世界中で診断される患者が増えていると報告されており、決して珍しい病気ではありません。日本ではマイコバクテリウム・アビウム、マイコバクテリウム・イントラセルラーレによる感染が多く、この2種類をまとめてMAC(マック)と呼び、肺MAC症と呼ばれていたりします。
肺MAC症を含めた非結核性抗酸菌症はヒトからヒトへの感染は起こしませんので、結核とは異なり直ちに治療が必要になる方は限定的です。しかし適切な治療開始のタイミングを逃さないよう、定期的な経過観察が必要です。
間質性肺炎
一般的な「肺炎」は、細菌やウィルスといった病原体が体内・肺に侵入し感染を起こした結果、その病原体と戦うために免疫細胞が炎症を起こし「肺炎」となります。病原体が排除されると炎症がなくなり「肺炎」は治っていきます。一方で「間質性肺炎」は病原体が原因の感染症ではなく、本来はからだを守ってくれるはずの免疫細胞が、何を間違えたか自分自身のからだである肺を攻撃して炎症を起こし続けることで発症する肺炎です。この肺炎の多くは原因不明(特発性)ですが、関節リウマチに代表される膠原病に伴うものや、環境(カビ、羽毛、粉塵暴露)、薬剤・放射線治療に関連して発症することもあります。
初期は症状がないものの、病気が進行すると慢性的な炎症で肺が傷つき、空気の通り道の気管支や酸素を取り込む肺胞が壊れることで、効率よく酸素をからだに取り込むことができなくなり、咳や息苦しさを生じるようになります。診断にはレントゲン、CT、そして肺の機能を調べる呼吸機能検査などが必要です。
この間質性肺炎を治すことは困難ですが、今後の進行を抑える抗線維化薬、副腎皮質ステロイド薬などが治療の選択肢となります。また間質性肺炎では肺がんの発生率が高いことも知られており、定期的な経過観察が推奨されます。
肺がん
肺がん
肺がんは男女問わずとても頻度の高いがんで、新規に診断される患者さんの数は大腸がんや胃がんと並び常に上位3位となっています。健診で指摘された胸部異常陰影や咳・痰といった自覚症状をきっかけに診断される方もいます。当院では胸部CTも即日撮影できますので、重篤な疾患が潜んでいないか調べることができます。肺がんが疑わしい場合は、適切な医療機関にご紹介します。

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